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「輸血」と聞けば交通事故など不慮の事故でけがを負ったときに使われているとイメージされる方が多いのではないでしょうか。
しかし、実際には、そうしたけがの治療で使用される輸血用血液製剤は全体のわずか3.5%。
がんや白血病、再生不良性貧血などの治療のために、定期的に輸血を必要とする患者さんにその大部分が使用されている他、心臓手術でも大量の血液を必要とします。血液の機能を完全に代替えできる手段は現在のところ、まだありません。
日々の輸血が欠かせない患者さんの命をあなたの献血が救っているということなのです。
血液は、分離などの工程を経て医療機関に届けられ、赤血球や血小板などの必要な成分のみ使用されることが主流です。そのため、400mL献血にご協力いただいても、400mLがそのまま輸血されるわけではないので、1度の輸血で数人分の血液が使用されます。心臓手術の場合、1回の手術で10~20人分の赤血球製剤と、数本の血小板製剤を必要とする場合もあります。再生不良性貧血など病気の治療に使用する場合、1カ月に1度というような定期的な輸血が行われます。 つまり、1人の患者さんの命を何人もの献血者で支えているのです。
現在、血液の機能を完全に代替えできる手段はありません。
医療において輸血は欠かすことができない治療法です。みなさまの献血が医療を支えています。